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ヤーンボミング de ひたちなか

更新日:2021年10月4日


2020年10月、緊急事態宣言は解除されているもののまだワクチンもなくコロナ禍真っ盛りで、人が集まるイベントを開催するのがはばかられていた時期、


ヤーンボミングやりたい


と、活動を本格的に開始することにしたあみもんどころ。



ヤーンボミングとは

街中にあるものを毛糸で編み包み、
日常の景色を一変させてしまおうという、
アートプロジェクト。

Yarn Bombing (直訳すると毛糸爆撃、編みテロとも)

欧米を中心に2005年あたりから流行りだしたのですが、これを茨城県内でもやろうじゃないかとなったわけです。


SNS越しに編み地提供を呼びかけて、集まったものを繋ぐのであれば、

大勢で集まるワークショップイベントと比べて感染の心配は格段に減るし、

家の中にいても、SNSでつながっている人と一緒に編んでいる気分になれて

ステイホームを楽しくすることができるんじゃないか


なんて考えたのは後付けです。とりあえずやってみたかったんです。



巻き込みました


まずはヤンボミ(勝手に作った略語)する場所を決めねばなりませんが、これはぽぽぽ本舗が勝手に決めちゃいました。


駅前の道路沿いにある銅像が裸で寒そうなので何か編んでくるみたい

 ↓

勝手に編みくるんだら怒られて下手すりゃ警察沙汰なので許可を取ろう

 ↓

市役所に突撃

  ↓

あちこちの課を渡り歩いた挙句、生涯学習課に到達。

交渉してみるも「ひとつひとつの作品のアイデンティティーを損ねるような装飾は無理」。

 ↓

「でもその企画はいいですね、道路管理課にも聞いてみましょう。」と言ってもらえ、

道路管理課に企画書を提出、呼び出されて話し合い、

「フラワーポットとかいいんじゃないでしょうか。」となる。


というわけで、ひたちなか市昭和通り沿いにあるフラワーポット16基に許可が下りました。

そう、許可が下りてしまったんです。16基に。

もちろんこの中のいくつかだけをヤンボミすることもできますが、許可が下りたのなら全部ヤンボミってしまいたいのが人情。


計算してみると、


15㎝×15㎝の編み地が2000枚近く必要


ということが判明しました。


こりゃいけねえや、ってことであみもんどころ招集に至ったわけです。

しかしあみもんどころ5人集まったところで2000枚は手ごわい。

SNSを駆使して全国の編み物クラスタの皆さんに協力をお願いすることにしました。


市役所を巻き込み、あみもんどころを巻き込み、全国の編み物好きさんを巻き込み、

ヤーンボミングdeひたちなか、始動したのであります。



企画始動


というわけで、ほぼぽぽぽ本舗のわがままで始まったヤンボミひたちなか、

みなさんに企画概要を説明するために資料も作成しました。





こちらのリンクを貼りつつ、主にTwitter上で編み地を募ったところ、ありがたいことにすごい勢いで編み地が集まりだしました。


正直、最初はあみもんどころメンバーで「集まんなかったらどうすんべ」「足りない分は俺らで編むようでしょ」「何人くらい参加してくれるかな」「だいじょぶだいじょぶ、10人集まりゃ一人200枚」「20人集まりゃ一人100枚」「100枚なら編めるな」「んだんだ」

などと怖ろしい皮算用をしておりました。


が、結果的には10月末から募集をかけて、12月末を締め切りと予定していたものが、一か月繰り上げて11月末に編み地募集を締め切る事態に!

それでも余って急遽会場近くのカフェにも「ヤンボミさせてください」とお願いしに行く羽目になりました。(2400枚くらい集まったんだったかな)


集まった編み地のほんの一部の一部


さて、もちろん編み地を集めるだけでヤーンボミングはできません。

フラワーポット16基を編み包むんですもの。繋げなきゃ!


六角柱のフラワーポット、一面の大きさは約60㎝四方。 一枚15㎝四方で集めた編み地を縦横4枚ずつ繋げていきます。


自然と「毛布」という呼称が生まれた60㎝編み地



それをさらに6枚繋げていき、フラワーポット一基分の編み地になります。

呼称「反物」



60㎝×360㎝になりますからね、しかもこれに屋外での風雨に耐え編み地が垂れてこないように農業用ネットを縫い付けたりしてましたから、とてもじゃないけどメンバーの自宅で作業とかできません(ある程度はやってたけど)。


ぽぽぽが編み物講師をしていたカルチャー教室の場所をお借りし、ヤンボミワークショップと称して、希望者を募って繋ぐ会をしておりました。

広い会場って素敵!360㎝確保できるテーブルって最高!!編み地提供のみならず繋ぎにまで来てくださった参加者さんどうもありがとうございました!!!


厳密には「帯」と呼ばれた60㎝×20㎝の縁用編み地も6枚ずつ取り付け、どれだけコンパクトに畳んでもひとかかえあるヤンボミ編み地が16体分完成したのは、なんと怖ろしいことに2020年末のことでした。

(ここでも一か月近く予定が繰り上がっております皆様のパワーの凄まじさ)




設営、お披露目


年が明けて2021年1月、設営です。


設営場所は駅前から東に一直線に伸びる道路約1㎞の区間。

その両側に点在するフラワーポット16基です。

作業量、多いです。

時は1月末、寒いです。


あみもんどころメンバーだけでは死んじゃう、ということでここでも地域にお住いの皆様にお手伝いをお願いしました。



まず一基、メンバーが作って見せてる図


そしたらまぁ、なんと怖ろしいことに、集まった方たちの仕事が早くて早くて、

「休憩入れながら、寒さで風邪ひかないようにあたたかい時間だけで、2,3日で終わればいいな」と思っていたのに、

半日で設営完了してしまいました。


主に集まってくれたメンバーは「私たちわかんないから言われた通りにやるねー」と言いつつ、いろいろ試行錯誤しながら手際よく編み地をフラワーポットに巻き付け、結束バンドで固定してくださり、

編み物や縫物を普段からしてるのはあみもんどころメンバープラスアルファくらいなので、そのメンツは組み上がった編み地を縫い合わせて整える係をしました。


うまいこと流れ作業で分担できたのもよかったのでしょうか。

「綺麗な編み地見てるとうきうきするねー」なんて言いながら、お昼ごろには完成。


「たーのしかったー」

「また呼んでー」

「家帰ったら家族に自慢するー」


貴重な労力のみならず、嬉しい言葉をたくさんいただきました。

いや、すごいわ茨城県民。







作品画像はこちらにもっとあります。


おかげさまで無事、設営も完了したので、次は宣伝です。


こんな大規模な企画、お知らせしなくちゃもったいない。

街に突如こんなのが現れたら、道行く人からも不審がられて通報されるかもしれないからいろいろお知らせしなくちゃ、という謎の恐怖心があったのも事実です。(小心者)


恥も外聞もなくあちこちに「こんなんやるよー見に来てー」と言って回った結果、


市報ひたちなか、茨城新聞、よみうりタウンニュース、ケーブルテレビJWAY、スペースマガジン、NHK水戸放送局、編み物チャンネル、毛糸だま(掲載時期順、敬称略)


こんなにもたくさんのメディアに取り上げていただきました。ありがとうございます。



amimono channel取材の様子



ワークショップと展示予告記事(茨城新聞)


会場にまでは来られない方のためにどんな様子かお知らせせねばというのもありますが、

ヤーンボミングかわいいねー、かわいいねー、と我が子を愛でるかのように

メンバーはほぼ毎日誰かが会場に眺めに行く始末。


我が子を愛でる母を愛でる図



すると街の方もあちこちで足を止めて見ていただいてるのがわかりました。


設営中も声をかけてくださったり、展示期間中もお散歩がてら眺める方や、撮影してくださってる方まで。

各所から「通りが明るくなったねー」「見てて楽しいねー」「よくがんばったねー」と言っていただきました。感涙



撤去、お片付け


予定されていたヤーンボミング期間も終わり、撤去となりました。

設営も早かったけど撤去はもっと早い!

人数はだいぶ少なかったのですが、これも一日であっという間に終えることができました。


外して、ぱたぱた、


期間は約3週間ほどありましたがお天気に恵まれ、パトロールしても編み地がゆがんだりなどはほぼありませんでした。

毛糸の色あせもほぼなく、思った以上に綺麗な状態で回収できました。

撤収予定日に風雨があって、「むしろお洗濯だー!」とやけくそで喜んだくらいでしょうか。(延期しました)



取り込んだ編み地はメンバーが分け合って持ち帰り、洗濯いたしました。

お風呂場で踏み洗いしたり、洗濯機に突っ込んでみたり、いろいろしましたが形が崩れることもあまりなく、次回も無事に使えそうです。


いろいろなモチーフが集まって毛布や帯や反物が構成されているから、それぞれが助け合ってて伸び縮みしづらいのかな?と勝手に予想しております。


企画開始前の風景に戻っただけなのに、なんだか賑やかだった景色が一気にさみしくなってしまい、撤収中は設営中と違って道行く人に「あらもう片付けちゃうの?もったいない」「なんだかさみしくなるわねー」と文句(笑)を言われまくったのは秘密です。



その他の写真集は こちら

twitterでの盛り上がりは こちら


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